なかなか個性的ないでたちのため、怪しさ満点の長髪とモヒカンのふたり組。しかし行動は行方不明の猫を捜したり、ポイ捨てされたゴミを拾ったりと、善人そのもの。そんな誤解されながらもマイペースに生きるふたりの日常を描いたシュールなコメディ漫画『見るからに怪しい二人』(鬼澤馬勇/KADOKAWA)。
ふたりが怪しまれるのは、見た目だけでなく、行動にも原因がある。夜、人気のない公園に集合するふたり。成人男性がふたりで夜の公園にいる時点で、すでにちょっぴり怖い。しかもモヒカンの男が持ってきたのは、女児用自転車。今日は自転車に乗れない長髪が練習をするため、妹が子どもの頃に乗っていた自転車をモヒカンが持ってきてくれた、ということらしい。
夜に男がふたり、しかもひとりは女児用の自転車に乗っている。怪しさがさらに増しているが、ふたりはそんなことを気にも留めず練習を始める。女児用自転車なのに(だから?)ふらついて転ぶ長髪。兄からスパルタ練習を強いられた記憶、補助輪付き自転車をからかわれた記憶……。様々なトラウマが蘇りくじけそうになる長髪を一生懸命励ますモヒカン。ここが夜の公園でなければ、そして乗っているのが女児用自転車でなければ友情に感動するシーンである。
そんなこんなで練習は続き、長髪がだいぶ自転車に慣れた頃、ひとりのサラリーマンが公園の横を通りがかり……。
今回ばかりは、仮にふたりがこざっぱりした普通の好青年風の身なりをしていたとしても、普通に怖いのでは? サラリーマンに同情を禁じ得ない回である。
文=原智香