仕事に追われ、食事もおろそかになり、自分が何をしたいのかさえわからなくなってしまった。2026年8月19日に第1巻が発売された『陽がのぼり菜の花は咲く』(アケガタユウ/ぶんか社)は、そんな毎日に限界を迎えた女性が、見知らぬ土地で出会ったひとりの女性と紡ぐ、人生を再生していく物語だ。食事や器を通して育まれていくふたりの関係が、やわらかなタッチで描かれていく。
26歳の加藤咲は、パッケージデザインの仕事をしていた。ずっと夢見ていた仕事であったが、求められるのは売れている他社の商品と似たデザインばかり。自分の意見を出せば「余計なことするな」とことごとく切り捨てられ、残業続きで体調を崩すほどに追い詰められていく。周囲からも仕事なんてそんなものと割り切ることを求められ、耐え切れなくなった咲は衝動的に会社を飛び出してしまう。