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令和の時代を舞台に、新たな解釈や演出を加えて描かれた映画『八つ墓村』(9月18日公開)。監督を務めるのは、「呪怨」シリーズ、『犬鳴村』『あのコはだぁれ?』などで知られる清水崇監督だ。


原作の魅力を受け継ぎながら、現代ならではの設定や新たな解釈を盛り込み、これまでの『八つ墓村』とはまた異なる作品として生まれ変わった今回の映画。では、横溝正史作品を深く読み込んできた原作ファンの目には、どのように映ったのだろうか。


そこで『金田一耕助の間取り』(エクスナレッジ)を刊行するなど、金田一シリーズに登場する建築物の間取りや来歴を考察してきた横溝正史研究家・木魚庵さんと、清水崇監督による対談を実施。


原作を読み込み、その世界を独自の視点から考察してきた木魚庵さんと、令和の時代に『八つ墓村』を蘇らせた清水監督。それぞれの視点から、原作の魅力や映画化にあたってのこだわり、これまでの映像化作品との違い、そして横溝正史が描いた世界を令和の時代にどう再解釈したのかを語っていただいた。


木魚庵「原作ファンは、原作の再確認をしたくて観るわけじゃない。原作をどう解釈し、どう切りとるかを、観たい」



木魚庵:清水監督のオリジナリティが発揮された本作、大変おもしろく拝見しました。『八つ墓村』は何度も映像化されていますが、たいてい「原点回帰」「原作どおり」という謳い文句が使われている。結果、原作のダイジェストになってしまっている、というのが正直なところで。でもファンからしてみると、原作の再確認をしたくて観るわけじゃないんですよね。原作をどう解釈し、どう切りとるかを、観たい。そういう意味で、今作における思いきりのよさがうれしくて。次に何が起こるかわからなくて、最後までドキドキしっぱなしでした。


清水崇(以下、清水):ありがとうございます。私も、入手できる限りの映像作品や漫画化作品、横溝先生や都井睦雄の研究本などを探り漁ったんですが、原作と犯人が違うものもあるんですよね。横溝正史さんはずいぶんと懐の深い方だったんだなあと驚きました。


木魚庵:1970年代の横溝ブームからリアルタイムで映像作品を見てきたので、改変はもう慣れっこです(笑)。ただ、野村芳太郎監督版(1977年)で山﨑努さんが見せた怪演といいますか。主人公・辰弥の父であり、八つ墓村の中心人物、田治見要蔵が過去に村人を32人も惨殺した事件。原作ではほんの数ページしかないそのパートを、猟銃と日本刀をもった山﨑努さんの狂気をもって、長尺で描き出したインパクトがあまりに強くて、『八つ墓村』の象徴みたいになってしまったじゃないですか。


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