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スケベな店に行こう/絶望ライン工 独身獄中記㉛

  • 日々懸命に過ごし、いつまで続くともわからぬ今の暮らしを生きる。
    そんな長いトンネルのようなものを、我々は人生などと呼び勝手に畏怖と親しみを感じる。
    トンネルは薄暗く、ふいに不安になる。
    どこまで続くのか。先に光はあるのか。
    思わず来た道で足を止め、
    後ろを振り返って怒ったり、悲しんだりしてしまう。
    我々は皆寂しい。もう歩くのはたくさんだ。癒しが、ぬくもりが欲しい。
    いっときでいいんだ。そしたら明日からまた頑張れるから──
    そこでスケベな店の出番てわけ


    スケベな店、それは夢の楽園。
    多くは世の男性向けに存在し、種としての本能や遺伝子の記憶を呼び覚ます魅惑の女性達と素敵な時間を過ごすことができる。
    孤独な独身男性にとって、それは渇きを癒すオアシスだ。
    乃瑛琉だ、李亜夢だ、鈍兎琉宮芭空院庵画阿(春画絵師 1740年~1802年没)だ。


    ではスケベな店に行けばスケベな女性(ファッキン・ビッチ)に出会えるのかと問われれば、それは違う。
    スケベな店にファッキン・ビッチはいない。
    眼科医がレーシックをしないように。
    食品工場勤務が自社製品を避けるように。
    ツーブロック投資不動産営業野郎共が不動産を買わぬように。
    真実は先入観で覆い隠され、我々は見たいものだけを見て、この世界を生きている。

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