絵本作家・鈴木のりたけ「子育てで一番重要なことは、忍耐・待つこと」。大ヒット絵本「大ピンチずかん」シリーズに続く最新作『たれてる』誕生秘話
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「大ピンチずかん」「しごとば」「ゆうぐ」シリーズなど、数々のヒット作を連発してきた絵本作家・鈴木のりたけさん。最新作『たれてる』(ポプラ社)は、過去の作品と一味違った仕上がりとなっている。
『たれてる』が目指すものはなんなのか。3児の父としても知られる鈴木さんに、子育てにおいて大事にしていることもあわせて聞いてみた。
(取材・文=さわだ 撮影=川口宗道)
「あれ? これ何が面白いんだっけ?」みたいなことはしょっちゅう
――「大ピンチずかん」シリーズや過去の作品と比べて、『たれてる』は文字の量や書き込みが少なく、子どもの想像力をかき立てる作りになっていますね。
鈴木のりたけさん(以下、鈴木) もともとはワンシチュエーションで成立するアイデアをどんどん並べていく絵本を作ろうと思っていたんです。例えば、バナナの皮を剥こうとしたら次のページごと破れてしまうトリックアートだったり、カウボーイが投げ縄を頭上でブンブン回していたらそのまま飛んでいっちゃったり…。そういうものを7年くらい前からずっと考えていました。そんな折、3年前くらいにポプラ社さんから「言葉に頼らない世界で通じる本を作りましょう」とお誘いを受けたんです。