美術館の学芸員というと、どんな仕事を思い浮かべるだろう。
静かな展示室で作品を見守り、古い文献をめくって研究に没頭する――。そんな光景を想像する人が多いのではないだろうか。
もちろんそれも大切な仕事の一部。だけど『白眉の司』(ササキエンジュ/講談社)を読むと、学芸員の仕事はいかに多彩なものであるかが分かってくる。彼らは美術品を調べ、守り、その魅力を伝える。そのために人と会い、人と交渉し、ときには人の心を動かす。
就活に苦戦中の主人公が、マンモス美術館のインターンに
主人公の波多棗は、アルビノの大学生。就活中、面接で「教養が足りない」と何度も指摘され、内定もなかなか取れない。そこで履歴書を埋めるくらいの気持ちで学芸員課程を取ろうとしたところ、国内屈指のマンモス美術館、国立東洋美術館のインターンに選ばれる。