「右園死児」はなんと読む? この文字列を人や物に名付けると、不吉な現象が起こる/右園死児報告①
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『右園死児報告』(真島文吉/KADOKAWA)第1回【全5回】
<この報告書は安全である>
『うぞのしにこ』と読む。この文字列を、人間、動物、無機物、現象などの名前に採用すると、壊滅的な被害が出る。
「右園死児に至る集団報告」は明治二五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が、規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。
X(Twitter)発の人気ホラー小説『右園死児報告』をお楽しみください。報告一号
報告案件 貯水池
報告者 佐竹正吉(さたけまさよし)(市役所職員)市内貯水池の登録名称が正当な手続きを経ず右園死児(うぞのしにこ)に変更されていると市職員が通報。
迅速に改称されたが、事態発覚から対処までの数時間で五件の入水案件(じゅすいあんけん)があった。その後の調査で名称改竄(めいしょうかいざん)の実行犯は佐竹正吉(さたけまさよし)と判明。軍が犯人を確保した。