私は道で散歩中のコーギーを見るのが好きだ。焼きたてのパンのようにフワフワなフォルムで歩く姿がたまらない。同じようにコーギーを見つめる人もいるのではないだろうか。そんなコーギーファンにおすすめしたい1冊が『あしょんでよッ ～うちの犬ログ～』（らくだ/KADOKAWA）だ。タイトル通り遊んでもらいたくて仕方がないコーギーとその飼い主による日常を1ページ完結で読みやすく描いた作品である。

　コーギーの無邪気で元気いっぱいな姿がふんだんに描かれており、飼い主に精一杯「遊んで遊んで！」とアピールする姿が愛おしくてたまらない。毎回違ったコーギーの「かまってモード」を楽しむことができ、ページをめくるたびに新たなコーギーの可愛らしさが発見できる。

「何もない一点をじっと見つめる姿に恐怖心を抱いてしまう」「出勤の時に淋しそうに見つめてくるコーギーにキュンとなる」といったペットとの生活でのあるあるエピソードから、鼻の湿気で飼い主の書類やズボンを湿らせて跡をつける「鼻スタンプ」で困らせるといった独特なやり取りも描かれる。どのコマの描写からも飼い主への愛情、そして飼い主から愛犬への愛おしさが滲み出ていて、見ていると笑みがこぼれる。

　個人的にコーギーの推しポイントは何と言ってもフカフカしたお尻の毛だと思っているので、お尻の毛を思いっきり触って満足げな飼い主のエピソードを目にした時は「やっぱりそこが魅力的なんだよね！」と深く頷いてしまった。

　さらに、1ページ完結のスタイルは忙しい日常の合間でも気軽に読むことができるので、疲れた心を和ませるのにぴったりだ。忙しさで心身が擦り減っている上、コーギーを飼っておらず、外でもなかなか拝めず寂しい想いを募らせている時は本作を読んで充電したい。

　コーギー好きはもちろん、まだコーギーの魅力を知らない人にも本作を読んでみてほしい。読み終えたらコーギーにメロメロになること間違いナシだ。そしてコーギーファンは本作を通じてさらにコーギー愛を深めてもらえたら喜ばしい限りである。

文＝ネゴト / 花