第20回「風呂に入りたくない夜は、カラオケ行こ。」/酒飲み独身女劇場 ハッピーエンドはまだ来ない⑳
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ぶるぶる。 鳥肌が止まらない。
ここ数日間、二日酔いばかりでケンタッキーを食べすぎたせいか、自分が鶏肉になってしまったのかと思っていたが、どうやら違ったようだ。
外全体が急に冷え込み始めた。 街の中は、そわそわ。イルミネーションは、ぴかぴか夜道を照らし、どこもかしこもクリスマスを匂わせてきている。
そんなバカな。 昨日まで秋で、ハロウィンだったじゃないか。一昨日まで、日傘と日焼け止めは欠かせない夏だったじゃないか。 あまりにも身勝手な天候にうんざりだ。
わたしは、昔から冬があまり得意ではない。 年中冷え性ということもあり、冬は靴下を5枚重ねにして履かないとまともに歩けない。
そして何よりも厄介なのは、お風呂問題だ。 冬になればなるほど、お風呂から遠ざかってしまう自分がいる。 築五十年の部屋に住んでいるので、風呂に暖房などはあるはずもなく、湯船以外は極寒だ。髪を洗うなんて もってのほか。
クリスマスという現実を受け入れるから、どうかサンタクロース。 わたしに、自動洗髪マシンをお恵みください。