ダ・ヴィンチWeb
  • 頭の良さというのは一体なんなのか、と思う機会は、私の人生の中で幾度もあったように思う。勉強ができる人はもちろんのことだが、要領が良い人、会話が上手な人、何かに造詣が深い人、知識を蓄えている人。そういう人に出会う度に「へエ、この人頭いいなア」と心底関心をする。「頭の良さ」なんていう一言で片付けずに、もっと細分化した呼称があっても良いのではないか、とさえ思ったりもする。色を表すにあたり、白と黒だけで片付けられないのと同じで、赤いものを「赤」と言い表せるような呼称が、頭の良さの種類に合わせてそれぞれに存在すれば素敵なのにな、と私は思う。


    そういう人たちと共に過ごす時間は、殆どの場合楽しい。自分が持ち合わせていないものを目の当たりにすると俄然興味が出る。自ずと「なんで?」「どうして?」が湧いてくるため、話題に事欠かない。相手はそれをどう感じているのかまではわからないが、少なくとも私はその時間を、楽しいと感じることが出来るのだ。


    ただ、頭の良さの種類より、その人たちから聞くことができた話の内容より、もっと興味深いことがある。それは、頭の良い人には必ずと言って良いほど、頭の悪い側面が存在しているということだ。


    こんなに頭良いのになんで滅茶苦茶な人生選んでんの、とか。こんなに頭良いのになんで彼女(または彼氏)にこの人選んだの、とか。こんなに頭良いのになんで致命的にユーモアのセンスが無いの、とか。まア、甚だ失礼な疑問であると同時に余計なお世話であり、そもそも誰が言ってんだよって話ではあるのだが、それは一先ず置いといて。時にそれは何かを犠牲にしてきた結果なのだろうし、達観しすぎたが故の選択なのだろうが、頭の良さからは理解し難いそれらを垣間見た時私は、「うわ、すごく人間」という、頭の悪い感想を抱いてワクワクしてしまう。なんと言うか。頭が悪いであろう人に頭の悪い側面を見つけても「浜辺にカニが歩いてる」くらい無であるのに対し、頭の良い人に頭の悪い側面を見つけた時は「絶世の美女の靴の裏に値札のシールがついてる」くらい、私の心は激しい動きを見せるのだ。伝われー。


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