森の中、朝、目覚めたクマが出会ったのは、漂う白い空気。その白い空気が、森の木々、木の実、鳥、動物たちそれぞれに訪れて、最後は明るいお日さまを連れてくるさまを描いた絵本。白い空気は、霧のこと。実際に霧が立ち込めたあとは晴れの一日がやってくることが多く、それを待ち望む動物たちの姿が静かに描かれます。
森中が霧に包まれたとある朝を描いた『しろいくうき』の著者で、ご夫婦の高橋潤子さん、北谷しげひささんにお話を伺いました。
――霧を題材にした幻想的な絵本です。お住まいの丹波篠山は、霧が多い地域と伺いました。
高橋潤子さん(以下、高橋):はい。丹波篠山は兵庫県の中部にある小さな盆地の町です。兵庫県の太平洋側の神戸から北上していくと、山地のてっぺんに篠山盆地があります。そして、その篠山盆地からさらに北へどんどん下っていくと、日本海に到達します。つまり、篠山盆地はお山のてっぺんにある小さな盆地なのです。そのお盆のへりにあたる周りの山は低くのどかで、雲のない日の夜には空から冷たい空気が降りてきます。そして気候条件が合えば、その小さなお盆のような町に真夜中から早朝にかけて霧が発生し、早起きした子どもたち、もちろん大人たちをもワクワクさせるのです。