10月30日より映画『クレイフェイス』が劇場公開されている。本作は「バットマン」でおなじみのDCコミックスを原作とし、かつヒーローではなくヴィラン(悪役)を主人公とした、堂々の「ホラー映画」だ。
●R15+指定に納得の過激さながら、間口が広く親しみやすい内容に
結論から申し上げれば、本作はとても面白い! 刺激的な描写のあるアメコミ原作の映画は『ジョーカー』(2019年)や『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年)も高い評価を得ていたが、そちらに引けを取らない完成度だった。
注意点は「刺激の強い肉体損壊および肉体変形の描写がみられる」という理由でR15+指定がされていること。そう聞くと観る人を選ぶ内容と思われるかもしれないし、後述する通り良い意味で「やめてくれ!」と悶絶するほどの凶悪なサスペンスシーンがあるのも事実だ。
しかし、全体的にはエンタメ性が極めて高く、かつ共感しやすいドラマが紡がれているため、親しみやすい印象さえある。少なくとも、ホラー映画というジャンルだけで敬遠してほしくはないし、(グロが大丈夫なのであれば)多くの人に勧めやすい内容だ。なお、苦手な方が多いであろう「大きな音でワッと驚かせる」、いわゆる「ジャンプスケア」の演出は(ごく一部にあるが)控えめだ。
しかも、この『クレイフェイス』と他の映画との物語やキャラクターのつながりはほぼないため、予備知識をいっさい必要としない。クレイフェイスは「ジョーカー」や「ハーレイクイン」といった他のヴィランに比べると知名度は低いが、この機会にその「誕生」から知ることができる絶好の機会だ。とにかく、まずは「過激だが間口は広く親しみやすいホラー映画」を期待して、気軽に観に行ってほしい。