食パンの耳、冷めたフライドポテト…案外、誰しも独特のおいしさを感じる好物を持つ?/好きな食べ物がみつからない⑥
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『好きな食べ物がみつからない』(古賀及子/ポプラ社)第6回【全6回】
自分が本当に好きな食べ物がわからなかったエッセイストの古賀及子さん。「好きな食べ物はなんですか?」この問いに、あなたはうまく答えられますか? 自分のことは、いちばん自分がわからない。どうでもいいけど、けっこう切実。放っておくと一生迷う「問い」に挑んだ120日を、濃厚かつ軽快に描いた自分観察冒険エッセイ『好きな食べ物がみつからない』をお届けします。フェティッシュとして好きな食べ物を語る
今度から好きな食べ物を聞かれたら「鍋のあとのうどん」って言おう。
作家の柴崎友香さんによる日記風エッセイ『よう知らんけど日記』(京阪神エルマガジン社 2013年 102ページ)に、こんな一文があった。雑誌の『dancyu』の2012年1月号の表紙「鍋の感動は〆にあり!」を見た流れでのひらめきとして書かれたものだ。