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紫式部『源氏物語 三十九帖 夕霧』あらすじ紹介。亡き親友の妻に恋する夕霧。真面目人間だった夕霧の浮気心が暴走し…!?

  • 平安時代の恋愛小説『源氏物語』を読んだことはありますか。国語や歴史の教科書に掲載されていたり、作者・紫式部の人生がドラマ化されたりして、興味がある方も多いかもしれません。どんな物語なのかを知ることができるよう、1章ずつ簡潔にあらすじをまとめました。今回は、第39章『夕霧(ゆうぎり)』をご紹介します。


    源氏物語 三十九帖 夕霧

    『源氏物語 夕霧』の作品解説


    『源氏物語』とは1000年以上前に紫式部によって書かれた長編小説です。作品の魅力は、なんといっても光源氏の数々のロマンス。年の近い継母や人妻、恋焦がれる人に似た少女など、様々な女性を相手に時に切なく、時に色っぽく物語が展開されます。ですが、そこにあるのは単なる男女の恋の情事にとどまらず、登場人物の複雑な心の葛藤や因果応報の戒め、人生の儚さです。それらが美しい文章で紡がれていることが、『源氏物語』が時代を超えて今なお世界中で読まれる所以なのでしょう。


    『夕霧』は、父・源氏とは対照的に、恋も仕事も真面目な息子・夕霧の心に湧いた浮気心が暴走し、意中の相手・落葉の宮を手に入れるまでの物語です。それまで女遊びをしてこなかった夕霧は、落葉の宮を口説き落とすことができず、強引に夫婦として生活を始めます。抵抗した落葉の宮が鍵をかけて閉じこもったり、妻の雲居雁は怒って実家に帰ったり、夕霧自身も懲り懲りだと呟いたり、堅物男の色恋沙汰がどこか滑稽に描かれています。夕霧・雲居雁の夫婦喧嘩や、夫に嫌味を言う“肝っ玉母ちゃん”な雲居雁、イクメン気取りの夕霧と、見どころの多い章です。

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