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金持ちは驕らない(後編)/絶望ライン工 独身獄中記㉝

  • 国語が5だとか、数学が2だとか体育が1だとか数字が並ぶ。
    それを見て教師からの評価はこんなものかと理解する。
    通知表、通信簿である。
    人の価値を定量化するとはなんたる傲慢か、測定アルゴリズムは産総研にトレーサブルなのかと子供ながらに憤慨したが、あまり数値に意味はない。
    数学が2でも皆と同じ給食を食べることができたし、皆公平に授業を受け掃除当番をする。
    人は生まれながらにして平等で、命の価値に差異はなく皆尊い存在です。
    ヒトの価値は数字じゃあ、測れないんだよ。


    ナンチャッテ!
    大人になると命の価値は数字でバッチリ決まります。
    それは年収であったり、納税額であったりする。
    年収が低いと給食も食べられないし、婚活では差別されバカにされるし、娯楽がパチンコとビールしかなくなるし、まるで自分が無価値のような錯覚に陥る。
    歳を重ねれば重ねる程、収入による格差は広がっていく。
    同世代で家庭を持ちマンションを買い車に乗って休日旅行に出かける隣人と、何も持たぬ自分との格差は目を覆いたくなる凄惨さだ。
    そして国家は高額納税者を優遇し、貧困層は虫けらのように扱う次第である。
    生活保護は食うに困った生活困窮者の犯罪から富裕層を守るためにのみ存在している。

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