動物病院ではどんな仕事をしているの?苦労はあっても、変わらぬ愛情をもって動物たちに接し続ける新米動物看護師の奮闘記
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動物を飼っている人なら身近な存在、動物病院。第4回コミックエッセイプチ大賞も受賞した『いぬねこ動物病院日記』(とみた黍/KADOKAWA)は、著者の動物看護師としての勤務経験を活かし、スタッフ視点から動物病院のリアルな日常を描く。
動物たちの可愛らしいエピソードはもちろんのこと、普段なかなか知ることのできない動物病院の裏側や豆知識は必見だ。
著者の勤める動物病院へやってくる動物たちは、みな個性豊かで愛らしい。気性が荒くて診察が苦手な子、大きな体でおとなしい病院のアイドル猫、怖がりの超大型犬、臆病で繊細なイケメン犬…。それぞれの動物たちに愛情をもって向き合い、丁寧に接するスタッフたちには感服してしまう。
幼少期から動物が大好きだった著者は、新米看護師として奮闘中。診察補助や衛生管理、細々した薬の準備など、動物病院スタッフの仕事は多岐にわたる。本作では動物看護師の業務が細部まで記されており、仕事量の膨大さや緻密さに驚かされる。
血液検査と格闘したり、獰猛な看板犬とのコミュニケーションを試みたり。オペの助手をする日だってある。大変なことがあっても動物への変わらぬ愛情をもち続け、日々一生懸命に仕事へ向き合う著者の姿に、胸がじんと熱くなる。
そんな、動物病院で新米看護師として働く著者の成長にぜひ注目していただきたい。
さらに、本作は動物たちを取り巻く問題にも切り込んでいく。捨てられた動物、劣悪なペットホテル、病気や死…目を背けたくなるような辛く悲しい現実も臆することなく描き、動物と過ごすこと、命と向き合う責任について教えてくれるのだ。
尽きることのない愛情と動物を救いたい真摯な気持ちをもって、日々働く動物病院のスタッフたち。動物を愛する人、動物と関わる人にぜひとも読んでもらいたい1冊だ。ページをめくれば、動物への愛情だけでなく、動物医療への理解も深まることだろう。
文=ネゴト / fumi
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