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リサリサを主人公にした「ジョジョ」外伝小説。第2部「戦闘潮流」から35年後の世界を描く、〈スタンド〉の起源

2024年4月28日

  • ジョジョの奇妙な冒険 無限の王
    『ジョジョの奇妙な冒険 無限の王』(著:真藤順丈、Original Concept:荒木飛呂彦/集英社)

     4月18日、「ジョジョの奇妙な冒険」外伝小説『ジョジョの奇妙な冒険 無限の王』がジャンプコミックス『The JOJOLands』第3巻(いずれも集英社)と同時発売された。手がけたのは、『宝島』で第160回直木賞を受賞した真藤順丈だ。「JOJO magazine」に好評連載されていた内容に、著者自身が磨きをかけ新たな息吹を注ぎ込んだ。本作は、さまざまな点において「これこそファンが待ち望んでいたノベライズ」と言えるのではないかと思う。


     物語は、第2部「戦闘潮流」から35年後、1973年のグアテマラで幕を開ける。主人公は、第2部でジョセフ・ジョースターを指導した〈波紋の師〉、リサリサだ。ジョジョの女性キャラクターは、第6部の徐倫はもちろん第8部の広瀬康穂、第9部のメリル・メイ・チーなど押し並べて魅力的だが、中でもリサリサはトップクラスのかっこよさ。彼女の“その後”を知ることができるとは、まずそれだけで心躍る。本作では老女となるも、顧問としてスピードワゴン財団を率い、その高潔かつ不屈の精神はジョジョ本編と変わらず健在だ。

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